禁煙できない理由は意志の弱さではありません

厚生労働省によると、たばこをやめたいと思っている人は男女とも約30%です。一方で、何度チャレンジしても禁煙できない方がいるのも事実です。

「意志が弱いから」とお考えの方はいらっしゃいませんか。意志が弱いのではなく「たばこをやめられない病気」があるのです。

今回はタバコがやめられない理由と、効果的な禁煙方法についてお話します。

たばこをとりまく現状
平成28年4月、厚生労働省が「たばこ白書」を発表しました。
受動喫煙が、肺がんや脳卒中などのリスクを高めることが明らかになった、他の先進国に比べ、日本の受動喫煙対策は遅れている、屋内100%禁煙化を目指すべきという内容です。

喫煙できる場所はどんどん少なくなっており、愛煙家の方は肩身が狭い思いをなさっているかもしれませんね。

禁煙にはメリットがたくさん!
日本において、受動喫煙が原因で死亡する人は、年間1万5千人と推計されています。もちろん、喫煙者を加えればさらに多くなります。

禁煙の一番大きなメリットは、肺がんや脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)や子供の喘息など、たばことの因果関係が明らかである病気を減らせることです。

他にも、
○衣服の臭い、口臭など他人に与える不快感が減る
○味覚や嗅覚が鋭くなり、食事をおいしく感じる
○肌がきれいになる
○節約ができる
などがあります。

一方で、「禁煙すると太る」ことをデメリットとして挙げる方が多いです。

確かに、禁煙すると平均して3㎏前後体重が増えるというデータがあります。
ですが、理由は禁煙による口寂しさと、味覚が鋭敏になって食事量が増えるためです。
厚労省も、たばこをやめたら太るという説に根拠はないと言っています。

むしろ喫煙者に肥満が多いことが分かっています。
さらに、喫煙は男性ホルモンを刺激するので、女性でも内臓脂肪型肥満になりやすいです。皮下脂肪型肥満に比べ、内臓脂肪型肥満は高血圧や糖尿病を引き起こします。

たばこをやめられないのには理由がある
禁煙は根性でできるものではありません。

NDをご存知でしょうか。
N(ニコチン)D(ディペンデンス)、ニコチン依存症という、治療が必要な病気です。
たばこを吸うと、ニコチンが脳に作用してドーパミンが放出され、頭がすっきりする、落ち着くなどと感じます。

逆にニコチンが切れると、だるい、いらいらするなどと感じるようになります。
この離脱症状に耐えられず、ニコチンを補給してしまうのです。

自力でやめるか、禁煙外来か
毎日たばこは吸うけれど、吸えない時間があっても我慢できるなら、自力での禁煙が可能かもしれません。

時間がなくても吸いたい、いらいらするとより吸いたくなるという方は自力での禁煙は困難です。
禁煙外来を受診し、サポートしてもらいましょう。

以前はパッチやガムなどで少量のニコチンを補充し、離脱症状を緩和しながら禁煙する治療法が主流でした。
最近は、ニコチンを全く含まないバレニクリン(商品名チャンピックス)という禁煙補助薬を使った治療が行われており、高い禁煙効果を上げています。

バレニクリンはニコチンより早く脳に作用してドーパミンを放出させず、たばこを吸ってもおいしいと感じなくなります。
バレニクリン自体が少量のドーパミンを放出させるため、いらいらするのを緩和してくれるのです。

治療期間は12週間で通院は5回。NDと診断されれば保険適応です。

まとめ
禁煙はデメリットよりもメリットがはるかに多いのです。
禁煙しようとするきっかけはさまざまだと思いますが、そうお考えならぜひ達成していただきたいです。

やめたいけれどやめられないというNDの方は一度禁煙外来で相談してみてはいかがでしょうか。
メカニズムを知って今度こそ禁煙しましょう。